みなさんと一緒に未来図を描いていく。
笑働には、大きな可能性がある。

大阪府都市整備部 部長

村上 毅 さん
京都大学大学院工学部工学科修了、大阪府出身。昭和54年4月大阪府入庁。

アドプト活動から広がっていく、
「想い」をしっかり見据える。

笑働OSAKAを立ち上げて、2年。
大阪府がアドプトプログラム導入10周年を機に立ち上げたプロジェクトです。
「自分の住んでおられる地域の清掃をしていただき、そこから出たゴミは行政で引き取りますよ」 というのがアドプトの原型ですね。
ところが、そこに住んでいる方、働いている方は、清掃しているだけにとどまらず、木や花を植えたり、防犯に取り組んだり、介護や教育を考えたり・・。どんどん広がっていくんですよね。地域を少しでも良くしようと汗をかいておられる。

小河副知事001

そういった自立・自律の活動が、さまざまな地域で、一歩ずつ着実に根付きつつあります。笑働は、まず、その方たちに「感謝」するところからはじめたい。 そして、その「広がり」をしっかりと見つめ、受け止めていく。そうやって、みなさんと一緒に手を携えていければ、2倍、3倍の豊かさが実現できるんじゃないかなと考えています。

大阪府には「みどりの大阪推進計画~みどりの風を感じる大阪を目指して」というプロジェクトがあります。 ヒートアイランド現象によって、大阪は他の主要都市と比べて夏の気温が高い。 大阪に風を通そうとすれば、中央環状線の周辺を緑化すると、蒸散作用で風が抜けるようになるんです。 今は、風が行き止まっているんですね。だから、街が熱くなってしまう。そこで、風の道を追いかけるように、大阪府内17市に「みどりの風促進区域」を設けて、緑化を進めています。 その中軸ともいえる国道308号では、阪神高速高架下の植栽をはじめ、周辺の緑化事業を広域にわたって行っています。
計画にあたり、大阪芸術大学の学生たちが、沿道の将来をイメージした巨大ジオラマを造ってくれました。また、信用金庫では「みどりの風定期」を販売し、その収益で花の種を提供していただいたり、地方銀行では、緑化にともなう店舗などの立て替え費用のローン割引とか、資材をディスカウントしてくれる企業、植栽のためにセットバックして建築する飲食店・・。地域住民、企業、学校、それぞれが、大阪に風を通そうと、自分たちが出来ることから実践されている。本当 に有り難いことだなと思います。まさに「感謝」ですね。

小河副知事002

民間にしかできないこと、
行政にしかできないこと。

都市整備や土木といった仕事の原点は、つくるということ。つくるのが本業かもしれませんが、つくったものをしっかり使ってもらわないといけません。
もっと言うと、みなさんが「どんなまちにしたいのか」「どんな営みをしたいのか」そういったことを、一緒に考えて、一緒につくっていく。そんな姿勢が大事なんだと思います。
府民や企業などの想いやアイデアを合わせることによって、にぎわいや、豊かさが生まれます。そんなときに行政は、先導とか主導をしては、ぜったいあかんと思うんです。 企業にとっても、社会貢献というよりは、本業で参画できる仕組みであれば恊働しやすいし、行政が考えるより、ダイナミックな発想や実行力を持っておられる。

小河副知事003

そこにビジネスチャンスがあったら、どんどんチャレンジし、自由に営業活動をしていただいたらいいんじゃないかなと考えています。行政の役割は、みなさんをアシストし、さまざまな人が参画しやすいプラットフォームづくりに徹したほうがいい。そうして築き上げたものを、しっかりと維持管理する。これは行政にしかできない重要な仕事です。

今という時代だからこそ、
笑働の役割は大きい。

「水都大阪フェス」のような参加型のまちおこしや「みどりの大阪推進計画」でのコミュニティづくりなど、「自分たちのまちを、自分たちでつくる」という機運が高まっています。各地域で活動されている、さまざまな団体や、それをサポートする企業、積極的にボランティアを行っている年配の方や若い学生・・。それぞれは小さな点かもしれないけど、それを、しっかりとつないで、広げていくことによって、「大阪の未来図」を描くことができるんじゃないかなと思います。行政と各地域のつながりだけではなく、活動をされている地域同士での情報共有ができるような仕組みづくりや、企業や学校が連携しやすいフィールドづくりなど・・。そうやって、府民が、オール大阪で取り組んでいく「大きな力」を生み出していくことが、笑働の果たす役割なんだと思います。そのために、みなさんと一緒に汗をかいて、がんばらないといけません。

笑働だと思ったら、
すべて笑働につながる。

僕は笑働のことを考える際に大事なのは、「心構え」だと常に思っています。現代はフェイストゥフェイスの会話が減ってきています。仕事でもメールで隣の人に伝言をするとかね。 同僚や上司という人間関係をはじめ、横の部局・課をつないだり、行政と地域、企業間・・・。我々の仕事は組織で動いているので、例えば、大きな工事をする場合に、やはり組織に暗黙知の経験が詰まっていないと危ういなと思うんです。 府民であれ、企業であれ、行政であれ、そこには、必ず「人」がいます。あたりまえのことだけど、ものすごく重要なことですね。 笑働とは、つないでいく仕事。しかも行政全体で取り組んでいくべきプロジェクトです。人と人が顔を付き合わせ、とことん話をして、理解し合って、想いを共有しながら、進んでいかないといけません。

小河副知事003

だからこそ「心構え」を常にDNAとして刻んでおくことが大事です。それさえあれば、僕は、ひとりひとりの職員が「これは笑働だ!」と思えば、すべて笑働につながっていくんじゃないかなと思っています。

(取材日:H24.12)